知多とは
知多はサントリーが2015年に11年ぶりに発売した挑戦的な新ブランドです。なぜ挑戦的かというと、知多は日本では初、世界的でもまだ珍しいシングルグレーンウイスキーだからです。
グレーンウイスキーとは、モルトだけでなくトウモロコシや小麦などの穀物を使い、連続式蒸留機で短時間に大量生産できるウイスキーです。ほのかな香りとクリーンな味が特徴です。基本的にグレーンウイスキーが単体で飲まれることはなく、シングルモルトウイスキーとブレンドして商品化されることが一般的です。
サントリーはこの常識を打ち破り、この知多を発売しました。ほのかな甘みと軽快で飲みやすい口触りを逆に強みとして売りに出したのです。非常に面白いマーケティングで、ハイボールに次ぐ新たなウイスキー文化を作ろうというサントリーの野心が感じられます。
ちなみに、知多蒸留所は伊勢湾の知多半島に設けられ、ここでとうもろこしを主原料としたグレーンウイスキーとして蒸留されています。海風の近い知多半島の風土も知多ウイスキーの爽やかな味わいに少なからず影響を与えています。
知多は、一時期テレビでも佐藤健さんを起用して風薫るハイボールを売りにすることで話題となりました。やはりグレーンならではの軽やかで甘みのある味わいとほのかな樽の香りが魅力のようです。
今回はあらかじめハイボールでいただきましたが、非常に心地よく和食とのマリアージュが素晴らしいと感じました。さすが日本のウイスキーです。
次はロックで、もう少し深く味わってみたいと思います。
テイスティングノート
香り
トウモロコシの甘み、樽香、微かにメロン。
味わい
ライトでスムース。バニラ、果樹の花、蜂蜜。ほんのりとした甘みが心地よく感じます。
余韻
ここでも穀物の甘みを微かに感じます。すっきりとした余韻。
総評
私にとって知多は初めてのシングルグレーンウイスキーでしたが、これはいい意味で期待を裏切られました。もっと単調で荒々しい味わいかと思っていましたが、実際は心地よいバーボンの樽香にトウモロコシの甘みが絶妙に絡み合った香味でした。さすがサントリーです。
ストレートやロックでもいいですが、モルトウイスキーに比べるとやはり複雑さや香りの強さで負けるのでハイボールで楽しむのがおすすめです。知多の爽やかさと炭酸のシュワシュワとした刺激がとても合います。
ぜひ、普段のご飯と一緒にいただいてみてください。予想以上に合うので驚かれると思いますよ!
価格は750mlのボトルで4,000円ほどです。
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