ラガヴーリン16年とは
ラガヴーリンは、ポートエレン近郊の南東部沿岸にあるアイラ島産シングルモルトウイスキーです。
長期発酵、長期蒸留、長期熟成が特徴のこのウイスキーは、上質なピートによってアイラモルト独特のピーティでスモーキーな味わいに仕上げられます。
私は初めて飲んだアイラモルトがこのラガヴーリン16年でした。初めはそのパンチのある独特な味わいに驚きましたし、正直すぐに好きになれる味ではありませんでした。
しかし、ちびちびボトルを消費するうちにだんだんこのピーティな香りがクセになり、その美味しさに気付きました。
ピートとは、ヘザーなどの植物が長い年月をかけて大地に堆積し炭化したものです。見た目は泥みたいですが、何万年もかけて集まった植物の有機物が詰まっています。
そして、このピートをウイスキーに焚きつけると正露丸のような薬品香とスモーキーな薫製香が合わさったような香りが生まれます。これが一般的に「ピーティ」と表現される香りです。
ラガヴーリンはこのピーティさが強く、かつ上品な甘さを伴っており絶妙なバランスの香味を実現しているウイスキーです。
今回、久々にこれをいただきたいと思います。
テイスティングノート
香り
非常に濃縮されており、ヨウ素、甘いスパイス、熟成したシェリー酒、クリーミーなバニラ、冬の日の炭火と焚き火の香り。またほんのり海苔が入っていて、濃厚な甘いコクが感じられます。
味わい
スモーキーなキャラメル、濃厚で息をのむような一口です。ほんのりとしたオークと泥炭の苦味が飲み応えをプラス。モルトとシェリーがたっぷり入っていて、フルーツのような甘さもあります。
余韻
スパイシー、イチジク、泥炭の煙、バニラ。煙感はありますが、最初の香りからは予想外の甘いフルーティーな余韻もあります。余韻は長く続きます。
全体
南島特有の巨大な泥炭を想像させるスモーキーさ、ピーティさが素晴らしいです。濃厚さとドライさを両方兼ね備えており、とても深みのある美しい仕上りになっています。
この美しさに合う食べ物を探しているのであれば、濃厚な塩味のブルーチーズを試してみてください。あるいはシーフード。海の香りが協和して素晴らしいマリアージュになります。
濃厚なアイラであるラガヴーリン16年、最初は苦手でしたが今となっては時々すごく飲みたくなる欠かせないウイスキーになりました。
アイラが苦手という人は、このラガヴーリン16年を1本じっくり飲んでみてください。徐々に少しずつでOKです。そうすると、ボトルが空く頃にはその魅力を感じ取れるはずです。
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