タリスカーストームとは
タリスカーストームは2013年初めにスカイ島のタリスカー蒸留所がノンエイジボトルとして世に送り出し、特別に選ばれたアメリカンオークの樽で熟成された一際異彩を放つシングルモルトウイスキーです。その特徴は、非常にスパイシーな胡椒の刺激と潮風の風味です。
タリスカーシリーズは総じてそういった味の系統ですが、特にこのストームは刺激という面で頭ひとつ抜けています。
『宝島』の作者スティーブソンが「酒の王者」と称したタリスカーの伝統が、より進化した形でこのボトルに現れていると思います。まるで、スカイ島の荒らしい海沿いの自然がそのままウイスキーの中に閉じ込められたかのようです。
飲んでみるとこの意味がとてもよくわかると思います。こんなに個性的でありながら人々を惹きつけてやまないのは、やはりそこに確かな伝統と技術があるからでしょう。
私も大好きなタリスカーシリーズ、今回は最も荒々しく、嵐のような味わいのストームをいただいてみたいと思います。
テイスティングノート
香り
最初は意外にも甘く、バナナ、シトラス、心地よいオークの香りを感じます。直後に、黒胡椒のスパイシーな香り、焚き火のような強い煙感が出てきます。
味わい
黒胡椒の強い刺激、荒々しい潮風、ビターオレンジ、スモーキーなオーク、スパイシーなバニラ。シャープな切れ味も特徴的です。
余韻
余韻は短くシャープな印象で、それがキリッとした潮風の刺激を際立たせます。余韻に甘さはなく、ドライでクリーン。
総評
これぞタリスカー。刺激的なスパイスと潮風のバランスが素晴らしいと思います。香りに甘さがあり、その後フィニッシュに向けて甘さは消えていきピリピリとした刺激が前に出てきます。
この味わいはとても興味深く、他のウイスキーにはないタリスカーの魅力的な個性です。そしてこの個性的な味わいはハイボールでも抜群にうまいです。
スモーキーでスパーシーな刺激と潮風の風味、これが炭酸のシュワシュワとマッチして、非常に爽やかでキレのある味わいが楽しめます。
タリスカーストームの唯一無二なハイボールは定期的に飲みたくなりますね。
まだタリスカーを飲んだことがないという人は、タリスカー10年かこのタリスカーストームから試してみることをおすすめします。スモーキーなシングルモルトとは何かを教えてくれます。
価格も5,000円ほどでネットで簡単に手に入ります。
また個人的にはタリスカー18年も大好きで、あらゆるシングルモルトの中でも5本指に入るほどの傑作だと思っています。機会があったら18年もぜひ飲んでみて下さい。
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